うつ病

初期うつのサインは、何となく憂うつでヤル気がわいてこない、気持ちが沈む、食欲がない、人と会いたくない、寝つきが悪いなどの状態が続きます。もちろん、このような落ち込む・気が進まない・挫折感を味わう等の軽い症状なら誰もが体験しながら成長するものです。しかし、これが長期間続き、病的な状態になるとうつ状態にはまってしまって、自力では抜け出せなくなってしまいます。3ヶ月以上改善しないようなら専門家の治療が必要となってくるでしょう。最近では「プチうつ病」なんてかわいい名前をつけてうつ病が増加傾向にあるようですが、これからますます増えていくことでしょう。

まず、うつ病に対する最も大切な認識は、
「必死に頑張って生きてきて、疲れ果ててプッツンした人だけがなることができる心の病気」というとらえ方です。まじめ・完全主義で几帳面、人任せにできず頑張り屋さんの性分を持ち合わせている人しかこの病になりません。なので、私もなる可能性は持っています(笑)。頑張ることもせず、なまけたり無関心だったり、何事にもいい加減な人は「うつ」状態にはならないということを知ることが大切です。そして、うつ状態は、周囲の人に対しての「もう、疲れちゃったよ!これ以上頑張れないよ!」というSOSのサインです。だから「頑張れ」という励ましは逆効果だと言われるのです。

うつ状態の人は必死に頑張ってきたのですから、しばらくの間ゆっくり休ませてあげる必要があります。でも、もともと性分として”頑張り屋さん”ですから、「休め」という助言に素直に耳を貸しません。ですから、うつの原因や仕組みをきちんと理解し、納得して休むことを受け入れるとスムーズに回復に向かいます。
「休養する」これが一つ目の治療法です。

二つ目の治療法は、抗うつ剤や安定剤、睡眠薬などの薬物療法。
しかし、意識がぼーっとしたり、目がうつろになったり、動作が緩慢になったり、胃を痛めたり、ロレツがまわらなくなったりする副作用もついてきます。副作用で日常生活に支障をきたす人も見受けられます。薬に対しての不安や飲むことへの自己嫌悪を持ちながら、悪循環を繰り返し、飲み続ける方も多くいらっしゃいます。これじゃ飲んでいても逆効果ですよね。副作用の少ない漢方薬を飲んでいる方もいます。

三つ目は精神療法。
森田療法や自律神経安定法、行動療法、呼吸法などがこれにあたります。

そして、最後は鍼灸治療。
「うつ病に鍼灸治療なんて効くの?」と思われるでしょうが、
「健全なる精神は健全なる肉体に宿る」の言葉の如く、まず身体のほうの問題点を東洋的にチェックして改善すると、心のほうも回復してきます。うつ病の方は、サイボーグのようなコリコリ・ガチガチの方がほとんどで自分で自覚してないのです。心と身体は切り離せません。
しかし、これも慢性化すればするほど複雑化し、時間のかかる疾患です。最低でも3ヶ月〜1年は根気強く続けていく覚悟が必要です。


うつ状態チェックリスト(ツング変法)

症 状 いつもある しばしばある ときにある めったにない
 1 気分が沈みがちで憂うつである 4点 3点 2点 1点
 2 ささいなことで泣きたくなる
 3 夜よく眠れないし、朝早く目が覚める
 4 最近、体重が減ってきた
 5 便秘がちである
 6 普段よりも動悸がする
 7 わけもなく疲労感があり、疲れがとれにくい
 8 落ち着かずじっとしていられない
 9 普段よりイライラ感がある
10 自分がいない方がみんなのためだと思う
11 一日のうちで朝方に気分の悪さがある
12 食欲不振である
13 異性に関心がない(性欲がない)
14 気分はふだんよりさっぱりしない
15 手慣れた仕事もテキパキとできない
16 将来のことに希望が持てない
17 決断力がなく、迷うことが多い
18 自分が役に立つ人間だとは思わない
19 毎日の生活に張りと充実感がない
20 今の生活自体に満足していない


判定方法:20項目全体の総合得点

40点以下   うつ状態なし
40〜49点  軽症うつ状態
50〜59点  中等度うつ状態

60点以上   重症うつ状態



先日、ある患者さんからこんなお話を聞きました。

「皆それぞれ自分の道というのがある。曲がりくねった道、急な坂道、先の見えないのぼり道、Uターンしてしまう道、迂回していくまわり道、大きな壁のある道。。。でもどんな道でもそれが自分の道である。それを人と真似ようと補修工事したり、曲がった道を真っ直ぐに歩いたりするから疲れるのだ。道なりに自分のペースで歩けばいいのだ。そうすればうつ病なんかにはならない。」

別にうつ病の話をしていたわけではなかったのだが、こんなお話をしてくれました。私もそうだよな〜と納得して聞いてましたが、人の道が羨ましくもなるし、人の目も気になるし、自分の道さえ見えなくなることがある。。。そううまくはいかないのよね〜。でも自分らしく歩ける道・いれる場所があれば、ひどいうつ病にはなっていかないんだろうなぁ〜なんて思いました。

うつの方はマイナス思考・悪い思い込みにとらわれて身体も心も悪循環に陥ってしまう場合が多いので、まずは身体を開放してやり、快眠・快食・快便ができる身体にしてやります。そうすると堅くなった思考も柔軟性が富みます。身体が楽になるにつれてじっとしていられなくなります。何かをやってみようと行動を起こします。そして好循環となります。一日も早くうつ状態から生還して、明るく楽しい充実した人生を取り戻してほしいと思います。

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